令和6年度 入学式を行いました

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4月9日(火)、令和6年度 西武学園文理中学・高等学校の入学式が狭山市市民会館にて執り行われました。
あいにくの雨と強い風が吹く中でしたが、630名(中学校129名、高等学校501名)の新入生が、文理生としての第一歩を踏み出しました。

以下に、校長式辞を掲載いたします。

学校長 式辞(全文)

 入学者の皆様、並びに保護者の方々や関係者の方々、本日は誠におめでとうございます。
 Congratulazioni per il tuo ingresso
 Congratulations on your entrance and welcome to Bunri.  Sejam bem vindos a Bunri e parabéns pela entrada.

 

 ご来賓の方々、理事長、名誉理事長、学園関係者の皆様、お忙しい中ご出席いただき、ありがとうございます。
 この記念すべき日に、こうやって皆様の前でお話しできることを光栄に思い、重大な責任を感じております。

 我々は今、時代の狭間を生きています。ブラジル人が日本の伝統的な学校で校長を務める時代、なまった日本語で普通にコミュニケーションを取り、日本のためになろうと、日本の若者の教育に携わるということが目の前で起きる時代です。現在、ダブル国籍の子供や海外生まれで、人生の大半は日本で過ごすという私のような外国人が激増していく中、日本人とは?という新たな議論がおきています。若い世代の日本人の中では、外見が多様化し、今まで評価されていた、よしとされる姿が唯一の正解として通用しなくなってきています。20年~10年前まではスーツネクタイで仕事をするのが当たり前でしたが、今や企業の社長でもシャツで会議に出る時代になりました。実例を挙げますと、2週間前からフランス政府はアフリカ系の人口増加を踏まえて、職場における髪型や髪色に対する強制的なルールを禁止する新たな法律を議論しています。

 なぜこんなことが起きているか、答えは簡単です。皆さんの目の前にあります。私です。
 つまり、国際化です。私も国際化の産出物で、私のような人が毎年増え、これからも増えていきます。そんな中で、様々な背景を持つ人と共存するには共通理解が必要で、それは相違、つまり違いを認めるところから始まります。簡単にいえば、みんな同じではなくてもいいという考え方を持つことです。見た目や文化背景などが同じでなくても仲間になれます。同じく日本で暮らし日本のために活躍し、それぞれが自分そして自分の周りの暮らしを豊かにしていこうとする意識を、今の皆様の世代で、作る必要があります。多様性に対する理解力、国際化社会に対する理解力を持ってこそ、初めて世界レベルで活躍できる人間になれます。

 要するに、日本がようやく真の国際化へと向かっていると感じます。そんな中、皆様にとって何が大切か?そしてどんなところに気をつけた方がよいか?今日はこの2つについて少し話します。それから最後に1つだけ校長命令を出します。

 まず、西武文理に在籍している間に、皆さんにとって最も大切なこと。それは、たくさんの失敗をすることです!色々な研究データや政府による意識調査でも明らかですが、日本人の若者は他国の若者に比べて、非常に自分に自信がありません。何になりたいかが見えない。自分はダメだ、あるいは不十分だと感じる子が多く、自己否定の道に進んでしまい、なりたい自分が見えないまま大人になっていくというとても残念な事になっています。

 これは私が一番心配していることです。なので、はっきりいいます。いいな?誰にもあなたは足りないと言わせるな!その意味は、私から見てあなたは足りないという、その人の視野の狭い意見にすぎないから、耳を傾ける必要はありません!あなたにしか見えない未来、あなたにしか生み出せない価値はあるんだ!だから失敗を恐れずに、何度でも失敗していいから、何度でも巻き戻していいから、西武文理では間違いや失敗で先生に怒られることはないから、自信を持ってあなたの世界を見つけましょう!我々は今日から皆さんのサポートをして、一緒に成長を図り、それぞれのペースに合わせて忍耐強く側で歩きます。時には応援の叫びを投げかけ走らせます。そして、疲れて歩けなくなった時は心配するな!我々が運びます!それが学校です。間違いに対する罰として生徒をたたく場所じゃない!それぞれの世界が見つかるまで一緒に歩む場所です。

 次に、皆さんに気をつけて欲しいことです。これからはAIの時代、国際化の時代です。皆様は世界を相手にして仕事をするのみならず、ロボットとも競争しなければなりません。経済学の専門家によると、今ある仕事の約半分は10年後にはロボットが担うと言われています。そんな中で世界レベルで通用しないことには、日本でも通用しません。これが先進国から見ての国際化の落とし穴です。日本人が国外へ出たり、外国人が日本に入ってくるのは悪いことではありません。日本の良さ、和の良さはなくなりません。それよりも皆さんが心配した方がいいのは、国内における様々な勝負のレベルが上がることです。競争率が上がることです。つまり、世界で売れない話、世界レベルで通じないことは、国内でもうまくいかないです。みんなにウケるか、あまりの情報量に埋もれて消えてしまうかの時代です。それが国際化です。

 例えば、有名大学に入学しても競争率が上がることで、卒業してから良い仕事が見つけられないという現象が起きます。日本だけでなく、全世界で同じ現象が起きています。今の確実は、明日の疑問。テクノロジーの進化により、世界は物理的にもオンライン上でも完全に繋がり、物事が急激に絶えず変化していくという、めまいがするくらい狂ったスピードになっていきます。
今日ある仕事は、明日はもう存在しません。なので、固定的な目標に向かうよりも、総合的な力が必要になります。もちろん学力は今まで同様に重要で、西武文理ではたっぷり勉強できますが、それに加えて、人間力も不可欠になります。かつては学力だけで勝負できたが、今では世界をそしてAIを相手にするため、学力だけでは歯が立ちません。行動力、判断力、想像力、コミニケーション能力、人を感動させる力や動かせる力、こういった人間力が不可欠です。

 では、強い人間力をどう身につけるか?答えは1つしかありません。世界で通用するレベルの教育です。私が文理の校長でいる限りでは、世界レベルの教育しか許しません。これまでの強みを生かし、さらに今年から新たに生まれ変わり、より現代的な学校生活、教育コンテンツに力を入れていきます。先程申し上げた人間力を育むために、我々は生徒主体型教育を実施します。

 それは、生徒1人ひとりがアクティブに様々なプロジェクトや課題型授業、ルールメイキングや校則見直し、デジタル育成プロジェクト、スポーツや部活に参加することによって、自分の未来を教員のサポートを受けながら頭の中で描いていきます。自分の手で受けたい教育を選び、そして学校自体をデザインしていきます。Be the change! これは我々のキャッチコピーです。自分の手で母校をデザインして、未来のための材料にしなさい!という意味です。黙って座って、先生が教える正解を暗記する時代は過ぎ去りました。皆さんは自分の学びを主体的にデザインする時代を生きています。ワクワクしますね!これから一緒に楽しみましょう!

 ただ、この新たな教育方針を不安に思う方もいるのかもしれませんので、お伝えします。これから失敗することもあるでしょう。挫折することもあるでしょう。でも、それはいいんだ。経験になるんだ。力になるんだ。我々の学校では失敗を恐れない人間を育成します。皆様も粘り強く、賢く、状況や相手に適応し、私のように文化間、言語間を移動できる人間になり、世界に日本の良さを発信する人になってください!

 

 最後になりますが、校長命令です。
 Have fun!
 たくさん遊んで、たくさんの友達作って!

 形にとらわれるな!!!

 

令和6年4月9日
西武学園文理中学・高等学校
校長 マルケス ペドロ