校長 マルケス・ペドロ
私は日本を心から愛しています。
幼い頃から祖国ブラジルで日系人の友人を通じて日本語と日本文化に触れ、この美しい国に魅了されました。中高生時代は日本語学校に通い、大学も大学院も日本語教育を専攻し、社会人になってからは教育の現場で、日本語や日本の文化について教えてきました。
では、日本の魅力とは、具体的にどんなことでしょうか。
私は、日本で暮らす中で、折にふれて日本人のふるまいの中に、本校の校訓である「誠実」「信頼」「奉仕」の心を感じました。
自らをいつわることなく誠実に生きる精神。
多くを語らずとも一途に仲間を信頼する精神。
自分と仲間が暮らすこの社会に奉仕する精神。
私はこれらの精神を身につけて、日本の魅力を世界に発信できる人間を育てることを、本校の最大の教育目標とします。
加速度を増して変化する世界に同調するように、教育の現場も急速に変わっています。この変化の時代に生きる若者に必要なものは何でしょうか。本校が40年の間、子どもたちに提供してきた高い学習能力、多様な仲間と協働する力、国際感覚はもちろん大切です。しかし、それだけでは豊かな人生を歩むことはできませんし、この美しい日本の伝統を守り、さらに進化させ、それを発信してゆくことはできません。
そこで、本校はこれからも思考力や判断力の基盤となる学力を保証するとともに、未来社会に不可欠となる資質や能力の育成にも力を入れていきます。私は、子どもたちに以下の4つの能力を身につけてもらいたいと思います。
1)今後、社会生活や家庭生活に大きな影響を与えるAIやITを活用して新しい世界を創り出す力(デジタルシティズンシップ育成)
2)自ら課題を発見し、その解決策を確かなデータとロジックをもって提案する力・仲間の意見に真摯に耳を傾け、クリティカルに考える力(コミュニケーション能力育成)
3)多様な文化的背景を持つ人々と交流し、学びあう力・アクセントを気にせず他言語でも意見を主張できる力・日本の魅力を世界にアピールする力(国際能力育成)
4)困難や問題を、改善の好機としてポジティブに捉える力・身体的、精的神、社会的に健康な状態を持続できる力(全人的ライフスキル育成)
これらの4つの能力を身につけるために、本校では「生徒中心型教育」「探究学習型教育」を実践していきます。生徒が主体的に学ぶ場、正解のない問いに果敢にチャレンジしていく場を段階的に提供していきたいと思います。また、留学プログラムや海外インターンシッププログラムの増加を図り、本校の生徒に日本の魅力を海外に向けて発信してもらいたいと思います。さらに、さまざまな国から留学生を招くことによって、学内で国際社会を体験できる環境を整えていきたいと思います。
ホスピタリティ精神をもって、変化し続ける世界の最前線で活躍する人材を育成するのが私の夢です。一緒に西武文理を世界のレファレンスとなる学校にしていきましょう!