1月8日(土)、高等学校は校内放送にて始業式が行われました。
校長先生からのお話、その後表彰を行いました。

学校長挨拶(全文)

 皆さん、明けましておめでとうございます。短い期間でしたが、冬休みにご家族とゆっくりすることは出来ましたか。家族と話をする時間はとても大切な時間ですね。

 今日は皆さんに、教え子から来た年賀状を紹介します。その教え子は日本のトップの理工系の大学へ進学し、SONYという会社の研究職をしていました。その人物が「協生農法」は難しいです、と言ってきました。農業とはいささか違和感をもちましたが、調べて見れば納得できました。
「協生農法」とは、日本の民間会社が提唱している食糧生産するための生態系自体を作り上げてしまう農法です。無耕起、無施肥、無農薬で、種と苗以外一切持ち込まないという条件があります。植物の特性を活かして、虫や鳥なども活用し持続可能な生態系を作り上げ、野菜等の有用植物を収穫する露地作物栽培法です。ソニーコンピュータサイエンス研究所がバックアップして、最適な生態系を作る実証実験を様々な地域で実施しています。

 協生農法と他の農法の大きな違いの一つは、農法による環境回復です。他の多くの農法が、現状の自然環境を部分的に劣化させてしまうのに対して、協生農法は劣化した環境から生態系を回復させることができます。最も顕著な例は砂漠化の危機に瀕する熱帯の乾燥地帯における導入です。2015年からアフリカ、ブルキナファソにおいて、砂漠化し自然回復が不可能だった土地に150種の現地作物を用いた協生農法を導入しました。その結果、1年間で砂漠化を止め、森林生態系の回復に成功、現在も実証実験を継続しています。

 野菜の栽培もバイオ技術が進み、太陽や土を使わず人工光と温度と液肥をきちんと管理すれば、立派な野菜が収穫できます。しかし、どれほどのエネルギーを必要とするのでしょうか。2045年には世界人口は90億人に達するとも言われています。これまでの農業は、肥料や農薬などを用いて自然状態でない「養殖野菜」を作ってきました。それが土地を砂漠化させ、持続可能な農業とは言い難い現状です。協生農法を用いて、長年人類を支えて来た自然状態の動植物を、その自然の姿に近いところでコントロールし、我々の食生活の安定と環境の修復を図ろうとしているのです。

 皆さんは、無菌室で栽培されたきれいな野菜と少し虫に食われた形の悪い野菜とどちらを選びますか。その選択は、今後の技術進歩を見定めた、皆さんの判断、決断に委ねられると思います。

 その判断のためには、既存の細分化された学問分野では不十分です。研究者のみならず一般の方々の実践・経験から得られる知識を集め、地球という小さな金魚鉢との付き合い方を考えていかなくてはなりません。自分の頭で考え、判断してください。

 新年に当たり、皆さんが新たな気持ちで各自の目標に向かい生き抜いてくれることを期待しています。
令和4年が皆さんにとって、いい年となりますよう願っております。

学校長 柴田誠


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