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2012 No.87

文理佐藤学園創立45周年を記念して(3)

物事をなすなら 一歩でも上を目指せ

創立者・理事長・
中学校 高等学校 校長
佐藤英樹

 雲ひとつない快晴の空のもと眩いまでに太陽の光が差し込んでいる文理キャンパスで学ぶ文理生は、たいへん恵まれた教育環境で育っているのではないでしょうか。心身ともに最も成長する多感なこの時期、せせこましい都会の雑踏の中ではなく、日常的な不便さを感じさせないロケーションにあるこの広大な文理キャンパスで、人間形成、学力形成に大いにプラスとなる境遇に浸っているのではないでしょうか。
 私は、「教育とともに環境は子供の心を育てる」というコンセプトのもと、この広大な文理キャンパスを形づくってきました。このキャンパスは、自分の夢を大きく膨らませ次代の世界のリーダーとなる人材が学ぶキャンパスであります。また、学園の教育の理念を生かしたキャンパスとして形づくられています。
 私は、文理の創設に際し、この狭山の地にイギリスのパブリックスクールのイートンカレッジのように高い知性と品性をもつ世界を担うリーダーを育てる学校を、と意図しキャンパスづくりを行ってきました。
 正門を入ると、真正面に悠然と建っている建物が、このキャンパスで最初に建築された「サイエンスホール」です。この建物は、「学問をする心」「科学を探究する心」をもった人材を育てる学校を、と意図したことに由来します。次代を担うトップエリートとして社会をリードするリーダーに成長できるような修養の場となって欲しいとの願いを込めこの「サイエンスホール」のホール内の正面には「曼荼羅」を掲げました。この曼荼羅は、高校の校長室の中に掲げてある仏画の曼荼羅をモデルとして作製されたものです。曼荼羅は、「本質をもつもの」「本質を象徴するもの」を意味する言葉であり、仏の悟りそのものを意味する言葉です。西武文理をこの地に創設するにあたり、「学問が追究するものは物事の本質であり、文理で学ぶ生徒に本質を追究してほしい」との願いから描かれたものです。私の実姉の仏画師安達原玄の直筆です。
 また、私は、文理のキャンパス全てが、学問の場として大きく飛躍できるようにとの願いを込め、キャンパス全体の中心となる正門からサイエンスホールを結ぶ線上に位置する広場に世界観を表す「曼荼羅」を幾何学的に描きました。そして瞑想によって悟りを開いてほしいとの願いからこの広場を、「瞑想の広場」と名づけました。文理の生徒に「物事の本質を理解し、世界で活躍できるリーダーになってほしい」という願いを込め、キャンパスの中心であるこの場所にサイエンスホールを建て、広場を設けて、そこに「曼荼羅」を描きました。そして、広場の中心には本質を示す「真」「善」「美」「聖」の4文字を刻みました。私は、学園に集う若者たちに、本質を示すこの言葉を理解することで世界のリーダーとして活躍できる知性と品性を備えた人材として大きく成長してほしい、と願っています。

▲卒業生代表の角野さんと理事長と学園長

 学園は、昨年11月に学園創立45周年の記念講演会を開催しました。この記念講演会では、「Creative Action グローバルな新時代をリードする」をメインテーマとし、現在ご活躍の2名の先生をお招きしご講演をしていただきました。ご講演をいただいた先生は、国際的なファッションデザイナーであるコシノジュンコ先生と世界で最も高い634mの電波塔となる東京スカイツリーの吉野誠一先生です。コシノ先生は、パリコレクション、オートクチュールブランド等日本を代表する国際的なファッションデザイナーであり、NHKで現在放映中の朝の連続テレビ小説「カーネーション」は、コシノ先生のお母様の小篠綾子様の物語です。『大きな夢 世界に飛び出せ』と題し語っていただきました。また、634mの電波塔となるスカイツリーの企画から建設に至るさまざまな苦労談を交えてご講演いただいたのが吉野先生です。『高き志目指すは世界一』のタイトルのもと、スカイツリーにまつわるめずらしいお話に児童・生徒の気持ちは、既に634mの上空にある、そんなご講演でした。Dream(夢)Passion(情熱)Creation(創造) Action(行動) という4つの力で、『夢』、『高き志』を目指す文理ファミリーの将来の活躍が楽しみです。
 また、この講演会に卒業生として祝辞のスピーチしてくれたのが、文理高校理数科の第9期生の角野浩史君です。角野君は文理高校を卒業後、東京大学理学部で学び、東京大学大学院理学系研究科化学専攻へと進学し、現在は、東京大学大学院理学系研究科の助教として研究活動に忙しい毎日を過ごしています。角野君は、「自分の夢であった研究者になるため、一歩一歩着実に歩みをすすめてきたこと」とか、後輩に対し「学校の授業内容は、完全に理解することを目指したこと。朝早起きをして勉強する時間を作り一年では一時間、二年では二時間、三年では三時間の勉強時間を毎朝欠かさずに続けた」、ことなどを語ってくれました。クラブ(弓道部)と勉強を立派に成し遂げた先輩の金言です。
 「忍耐強く続ける」、「物事をなすなら一歩でも上を目指せ」と後輩に語る角野君の姿勢に、私はたいへん感動を覚えました。長年にわたって文理ファミリーに語ってきた私のことばを実践し、自分の夢を達成している卒業生のひとりにまた会うことができた喜びは、世界で活躍する「人財」の育成をミッションとして学園を創立した私の貴重な財産です。  「高き志」を目指し、それを必ず達成するとの強い決意で臨み、忍耐強く続けることにより、やがて大きな花が咲いてくれる。これは、学園を創立した私にとり教訓であります。学園で学ぶ学生・生徒の皆さん、先輩に続こう。「高き志」を持ち続けて歩み続けて欲しい。「継続は力なり」。あきらめない!!

 

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